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きらきらと音を奏でるように光って

映画館でEndless SHOCKを見た日

2011年3月某日。
わたしのEndless SHOCK初観劇になるはずだった日。
しかし、そのチケットは半券がもぎられることのないまま、いまもわたしの部屋に存在しています。

学生時代、講義や実習も多かったわたしはバイトもあまりすることが出来ず、常にギリギリで生きているジャニオタでした。
だから、社会人になった初年度のEndless SHOCKは意気揚々と申し込んだのです。
帝国劇場へ行き、SHOCKを観劇するという夢をようやく叶えるのだと。



ですが、その夢は、自然災害の前に立ち消えました。





東日本大震災で、2011年のEndless SHOCKは公演中止になってしまったから。




当時の状況を思えば、それはどうしようもないことでした。
翌年、今度こそ!の思いでリベンジ申し込み。
2012年3月、ついにわたしは帝国劇場へ足を踏み入れたのです。
その時の記憶はあまりにふわふわとしていて、眩しくて、一瞬で過ぎ去っていった高揚の感覚ばかりが残っています。


あれから、10年。
まさかそれ以来のSHOCKを見る場が映画館になるなんて。当時はもちろん、つい先日まで思いもしなかったことでした。





・・・というわけで、前置きが長くなりましたが行って参りましたEndless SHOCK特別上映・初日舞台挨拶付上映回!
思えばジャニオタ、自宅外の現場に出向いたの2019年京セラキンキカウコン以来、1年1ヶ月ぶりなのでは?!?!と気付き涙ぐむ(すぐ泣く)

登壇者の皆さんのお顔を見て感慨ひとしお・・・。やっと会えたね感すごかった
スクリーン越しだったけどやっぱ自宅外の「非日常」の環境で推しの顔見るのすごい大事、ちょー大事、ぜんぜんちがう特別感!これ大事!!!

こーたむはもちろんなんですが、たちゃんの顔見れたことがなんかすんごい嬉しくてなんでこんなうれしいんだろって考えてみたらきんきちゃんは年末年始配信ライブあったけどたちゃんはそういうのもなかったからリアルにTV番組でしか最近お顔見てなかったんだな〜

(余談ですがTVerでタメ旅+の配信も先週から始まったので今までより拝顔出来ることもすごくうれしいです!!!)



さて映画で実質2回目のEndless SHOCKを観劇(鑑賞)したわけですが、初見の10年前は「これがあの噂に聞いていた○○のシーン!」みたいな衝撃の連続で先述の通りふわーっと舞い上がったまま観劇が終わり、正しくEndlessにSHOCKを繰り返した記憶なんですが、10年の間にわたしもさらにミュージカル観劇をして知識も増えたぶんこーたむがオマージュした演出なども随分と発見出来るようになり新たな見え方もあり新鮮な気づきがいっぱいありました。ミュージカルを見ているひとほどEndless SHOCKってたくさん発見があるんだなあって改めて気付いたというか。そのあたりは映画版パンフレットにも記載ページがあって興味深かったです。作り手側(こーたむ)の解釈なんかも知ることが出来たし。

この10年のあいだに劇場でON THE TOWNもウエストサイドストーリーもガイズアンドドールズも観たんだもんな〜。ってプロローグからカンパニーの打ち上げシーンのあたりを観ながらさまざまなミュージカルシーンが走馬灯のように駆け巡った感覚おもしろかった。

鑑賞中ずっと考えていたんですが、2番手格が「ライバル」役って呼ばれるのってなんでなんだろう?タツヤはコウイチに対してライバル心剥き出しだけど、コウイチは「自分の敵は自分」みたいな考え方の舞台人じゃない?あくまで客観視したときの「ライバル」としての呼び方なのかな?
タツヤを観ていてこーたむがここまで上田竜也に当て書きしてくれると正直おもってなかったのでかなりの驚きと感慨深さがありました。きんきさんのバックについていた頃のカツンのあれやこれやを思うと(わたしはその時代を見ていないのだけど)、こーたむがここまで上田竜也を認めて受け入れてくれていること、ほんとーーーーーにすごい、うれしいことだなあと思いました。
1幕の冒頭からタツヤがコウイチとの考え方の違い、焦り、嫉妬、そういった感情が少しずつ膨れ上がっていってちょっとしたきっかけから溜まっていたものが弾け飛んで引き金を引いてしまう。あとには戻れないことを自覚するような嘲る笑い声が乾いたように響いて、たちゃんの細やかな心の揺らぎを丁寧に描き出すお芝居がこんなにしっかりSHOCKのストーリーにのっていることがうれしくて。

ただ「SHOCKのライバル役を演じる」だけじゃなくて、これまで経験してきた舞台や映像でのお芝居の経験をきちんとSHOCKの舞台につなげて、乗せて、だってそれが「上田竜也が演じるライバル・タツヤ」だから。それをこんなにもしっかりと見せてくれたたちゃんがうれしくて、誇らしくて、何よりめちゃくちゃかっこよくて。あーーーわたしの愛するカツンのU、こんなにかっこいいって、こんなに素敵なんだぞって世界中に見てほしい気持ちで、そしてわたしも観ることが出来たよろこびで終始いっぱいだった。

あと、タツヤが自分でもコントロールしきれてない感情を投げてくることがストレートに見えてくるぶん、1幕ジャパネスク前の楽屋シーンでのコウイチの「いいんだよ、言わせてやれ」が重くて。コウイチは、大劇場へいくことも素直に「うれしい」って思えなくて、コウイチ自身にも迷いはある。だけどそれをカンパニーの仲間には見せない。弱さを見せないコウイチに、リカはただただ憧れと信頼だけを募らせる。その一方でタツヤは苛立ち、嫉妬、焦りの感情をつのらせていく。コウイチはタツヤのその感情に気付いていることを2幕の終盤に告白するけど、コウイチが1幕で自分の迷いを見せられるのってオーナーだけなんだよねえ。ちょっとずつ、最初からちょっとずつ、このカンパニーは噛み合っていなくて。そこの「ちょっとずつ」の描写をこーたむは絶妙に書いてるなあと思ったんだけど。なんかひさしぶりに観るからたぶん演者が違うだけじゃなくて脚本も演出もブラッシュアップされてるのかなって思った。すごいスマートにストーリーが見れた気がしたんだよね。。。単純に、自分がいいおとなになったからなんだろうか???正解が何かはわかりません。

2幕のシェイクスピアのシーンも10年前帝劇で見たときは「こーたむがトート閣下みたいなこと言ってる〜!」というテンションでひたすらときめいた記憶しかなかったのですが(ひどい)、いやもっと深いシーンじゃないのよ、、、10年前帝劇の客席に座ったわたし、なにを見ていたの!と自分に呆れてしまいました。笑(えない)
ちなみに、1幕のストーリーにおけるテンポ感は良いな〜とおもうんですが、2幕のシェイクスピアのあたりのライバル役の描写は独白の手法に頼り切ってしまっているのでもっとライバル役の複雑な感情をナンバーにのせて歌にして踊ったりして見せてしまったりしたほうがスッキリして観客の大多数であるの女性ユーザーには見やすいのでは・・・と思ってます。
2番手の感情吐露のソロナンバーってぜったいに必要だと思うんですけど、部分的にちょこっと歌うくらいしかライバル役ってなくない???
個人的には男の人がずるずる嘆くシーンってダレるなあという印象があったし、推しであるなし関係ないところであのキャラクタを見たときに共感しにくいなあと思ったので。
最後にコウイチともう1度ショーを作りたいってライバルが思うまでの感情の変化が見えにくいな〜、葛藤や迷いをしっかり描いてるぶん、そこはもうちょっとしっかり描写してないともったいないかな〜とは思ったかな。


2週間限定上映なので、何回見に行けるかなあと思いましたが公開終了間際にもう1度見に行けてよかった。
ショーにおいては一点の曇りもなく、こーたむすごいの一言だし、やっぱりジャニーさんのショーの演出ってすごかったんだなって改めて思ったのでした。
こーたむくらい綺麗にフライングして定期的に帝国劇場に立つような若手世代、誰になるんだろうなあ・・・・